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ホワイトグース飼育環境が品質の決め手

by sitestaff on March 27, 2022

グース(がちょう・鵞鳥)について

ガンを飼い慣らした水鳥。アヒルより大きい。主に肉食用を目的に飼育されるが、粗食に耐え丈夫。

ヨーロッパ系

  • 腹部が肥満
  • 原種は、ハイイロガン・エムデン種(ドイツ/オランダ)・ツールーズ種(フランス)

中国系

  • くちばし基部に突起
  • 原種は、サカツラガン

羽毛用に育つ血統の特徴

主に東欧(ハンガリー・ポーランド・チェコ・ロシア等)では採毛を目的として品種改良され、多種多様な品種が存在する。平均的な採毛用グースの体重は5kg前後。

一部地域で飼育されているものでは、10kgに及ぶ大型グースも存在する。

大型のグースのほうが大粒の羽毛が取れる。

ホワイトグース

ホワイトグース

参考1

生殖能力の強いグースは全体の1〜2%で、マザーグースとして残るが、その他は食肉となる。生産能力は、3度目のプラッキングが済んだあと、一羽ずつチェックされる。

参考2

2000〜2003年頃、ヨーロッパ人の健康ブームにより、油っこいグースの肉が嫌われてしまい、肉の売れ行きが悪くなったので、コストに響き、また生産量が減ったためダウンの価格高騰につながった。

ヨーロッパ

飼育方法

採毛用と食肉用では飼育方法(場所・方法・期間)が全く異なる。食用では短期間で鳥を肥やす目的(フォアグラ)のため、運動ができない環境にして、大量の食物を与える。また、鳥そのものの清潔度はあまり問われない。
採毛用は、広い土地で育て、自由にいつでも動きまわる事ができる。また鳥自身が清潔に保つため、自身で自由に水浴びできる湖沼は不可欠である。
特に良い羽毛が取れる鳥を飼育する条件は下記のようであるが、実際にその条件を満たす農家は、全体の1%にも満たない。

まず土地であるが、地質・水質とも汚染されていない砂地の土地で、草地も充分にあり、少なくとも2〜3カ所の湖沼がある所。
気候は夏冬・昼夜の気温差が大きく、湿度が低いところが良い。
広い土地を有し、清潔で通気性の良い小屋がある農家であること。
小屋に敷きつめるワラは、1日3〜5回交換すること。
エサは有機穀物を100%、1日2回与える。
少なくとも月に1回は、獣医が検査にまわる事が義務付けられている。

1軒あたりの農家が飼育するのは5000羽〜6000羽が目の届く環境での、育てる限界だと言われている。(ひどいところでは25000羽以上飼育している所もある。)
グースは、毎年2月頃に卵を産む。採毛は、自由に育てられている鳥の、自然のプラッキング時期を待ち、年に3回採毛する。(通常は、生産性を上げるために、完全に成熟していなくても採毛する。ひどい所では年に5〜7回採毛するところもある。)
おおよその時期は、1回目が5〜6月。2回目が7〜8月。3回目が冬毛に変わる9〜10月である。
地域性により、年に2回、夏の前と冬の前にしか採毛しない地域もある。(ex.ヴァルダイ) どちらの場合も、冬にそなえて生えてくる方が、密度が濃く、ダウンボールも大きい一番良い羽毛が取れる。
どの採毛の際にも、各農家に検査医が来て、許可してから採毛に入ります。

カウフマン社では冬毛になる3回目のプラッキングのものしか扱いません。また、育て方にとてもコストがかかるので、普通の農家は嫌いますが、カウフマンは粗悪原料から肉まで全て責任を持ってくれるので、この希望通りの飼育をしてくれます。

採毛

食用の鳥は、「マシンピック」といってバリカンのようなもので剃るので、大変羽毛を傷める。採毛用の鳥は、「ハンドプラック(手摘み)」といって一羽一羽手で採毛します。
検査医の許可が出ると、20〜30名のジプシー軍団もしくは採毛専門グループが、農家へやって来て、約4〜5日で一農家の採毛をします。

採毛

採毛

鳥小屋に待機している鳥を小窓から採毛の人へ渡し、手摘みした後外へ逃がす。 プラッキングの部屋は、大変羽毛や羽根が飛んでいるがとても清潔である。手摘みした羽根や羽毛は、そのまま床へ放っておかれ、木ベラで壁の方へと集める人がいる。

プラッキング

参考:完全に成熟した毛をむしるので、鳥自体に痛みはなく、流血もしません。

スモールフェザー

スモールフェザー

スティッキーダウン(ポメラニアン)

スティッキーダウン

ダウン(ピルスナー)

ダウン

ダウン&フェザー

ダウン&フェザー

洗い工程/選別

おおまかに乾燥した原羽毛が約20kgの袋詰めで農場から運ばれてくる。(大粒のスティッキーダウンは、農家で大粒の羽毛と小粒の羽毛に手選別されて入荷します。)
カウフマン社では、入荷した原羽毛を、まず乾燥(開毛)・除塵します。
この工程は世界中どの工場でも行なわれておらず、通常は即洗濯機へ入れられます。
この工程により、乾燥した泥やゴミ、ラージフェザー、ファイバーが除かれます。

次に、油脂分や汚れ度合いなどが検査され、洗浄方法が選択されます。(以前は全て手作業で行なっていたが、現在はコンピューターにプログラムされて、ロットごとに洗浄方法を変えて洗います。)
各工程に専門員が配属されていて、途中経過・仕上がり具合は人の目でチェックします。
洗濯機では、1回あたり30kgと大変少量づつ洗います。(同じロットは、必ず1回ごと同じ量づつ洗います。)
水は、工場の地下28mから汲み上げた、ボーデン湖の軟水(※軟水はバクテリアを食べてくれる)を100%使用し、化学薬品や消毒剤は一切使わず、洗剤は有機洗剤のみを使います。

参考

使用した水は工場内で浄水し、土地へ還します。直接湖には流せません。

通常の2倍以上の時間をかけて、丁寧に洗った原羽毛を遠心力により水を切り、次にスチーム&ドライの蒸しの工程へ入ります。
乾燥機内温度を約180度に熱し、洗い上がりの原羽毛を入れます。冷たい羽毛が入ることで、110度〜130度に温度が下がり、その温度で蒸し・乾燥をします。
湿気を抜き、新しい空気を入れ乾燥したら、ねかし(冷まし)ます。
この工程により、羽毛の強度(嵩高性)や、清潔度が左右されます。
通常メーカーでは、100度にして70度〜80度、ひどいところは60度で蒸します。(コストの関係により。)

仕上がった原羽毛は選別機で選別します。
まず、フォーチェンバー選別(各社共通)によりラージフェザー、フェザー、ダウン、ゴミに分けられます。羽毛を送風で飛ばし、各部屋ごと重いものから手前へ落ちます。

選別機

次に、ツーチェンバー選別(カウフマン社のみ)を行います。フォーチェンバー選別により選別されたダウンを、さらにラージダウンとスモールダウンに選別します。

参考

ブランブランやポメラニアン、ヴァルダイは、もともと手選別されてから入荷しているため、ツーチェンバー選別を2回する場合もあります。

参考

カウフマン社の選別機は、ゴミ吸いダクトが多く、あらゆる部分でファイバーを吸い上げているので、良いダウンのみが残ります。

ヨハネス・カウフマン社 他社
1.乾燥・除塵 泥・ゴミ・ラージフェザー等の不純物を除く。この工程により30%程羽毛が減る。 なし
2.洗い・脱水 1回あたり30kgと、少量ずつ時間をかけて有機洗剤でゆっくり洗う。羽毛1kgあたり、8リットル以上の大量の水を使用。8回繰り返し行なう。 羽毛1kgあたり4リットルの水を使用。
3.蒸し・乾燥 乾燥機内温度を約180度に熱し、110度〜130度で蒸し・乾燥する。 乾燥機内温度を約100度に熱し、70度〜80度で蒸し・乾燥する。(ひどい所は60度)
4.選別 フォーチェンバー選別→ツーチェンバー選別 フォーチェンバー選別のみ。
5.仕上げ 手作業により行なう。ファイバーが少なくなる。 機械作業

ホワイトグース

仕上げ

仕上がった羽毛は5kgずつ袋に入れられてストックされる(一般的には10kgずつ)。仕上がったロットごとに検査され、見合わない2級品は削られます。
検査項目は、ダウン率(ダウン/ダウンファイバー/フェザーファイバー/ラージフェザー/スモールフェザー/來雑物)、嵩高性、清浄度、酸素計数である。

ダウンにはスティッキーダウンという種と普通の種があり、羽毛の良悪は基本的には嵩高性だが、スティッキーダウンの場合はこの限りではない。

嵩高性重視の羽毛

張りが良く、密度が濃い、きれいな丸型が良い。
カウフマンランクで170mm〜200mm。

例:ピルスナー(チェコ産)/ハンガリアン(ハンガリー産)/ババツゥプスタ(ハンガリー産)/マズーリアン(ポーランド産)/ポーリッシュ(ポーランド産)

特徴

張りがあるため、空気の層をたくさん作るので、厚みがある。ふくらみは空気なので、触りはふわふわとして柔らかい。
ドレープ性は悪く、身体にフィットしないが軽く感じる。軽さと厚みとふわふわ感がお好みの方におすすめである。

スティッキータイプの羽毛

張りが良く、中心の密度が濃い、毛足が長く、きれいな丸型が良い。測量できないが、するとすれば150mm〜160mm。
このタイプのふとんを製品にする場合、羽毛を傷めないため手詰めで行なう場合もある。

例:ヴァルダイ(ロシア産)/ポメラニアン(ポーランド産)/ブランブラン(ロシア産)

特徴

毛足が長く、互いに絡まり合うタイプで、厚みがない。空気の含有量が少ないので、しっとりとした真綿のような柔らかさである。嵩が低いのでドレープ性は良く、身体にフィットし、肩口が空かないので温かい。
フィット感がお好みの方におすすめである。

ホワイトグースダウン

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